少し前を歩いていた先輩は、立ち止まった私に気付いて振り返る。

「………」

先輩、好きなんだよ、大好きなんだよ。不安なんだよ。見えなくなっちゃわないか。突然消えちゃわないか。
どうにかして結びつけたいよ。でもきっと、手には入らない…。

「…わかんねぇの」

先輩はポケットに手を突っ込んだまま私の目の前にたちはだかる。