今日はコンクールだけど、曲の仕上がりもそんな出来ているものではなかった。
弾く前から気が重い。
予選くらい通らないと先生に見捨てられちゃうよー!

カイロを握りすぎたせいで手が汗ばんできている。会場に着くと、演奏順の紙が張り出されていた。
私は手元の参加番号を確認すると、それに照らし合わせて自分の番号を探した。

「26番…………」
私は最後から二番目だった。