光貴君は少し周りを見ると、私の制服の袖を引っ張って窓際に移動した。
私もつられて移動すると、
「ねぇ、颯斗となんかあった?」

ずいぶんいきなりですね。
なんかあったも何も、ここ数週間一言も喋ってないわけで…

あぁもう、思い出させないでよ。悲しくなってくる。あの人を想うと。

「…なんで?」
「だって廊下で会ったりしてもスルーでしょ?」
「桜田先輩から何も聞いてないんですか…?」