先輩が座ると同時に、視線を感じる。
な、何……
目が合うと先輩はようやく言葉を発した。

「……あのさ、この前」

さっきとは違う声のトーンで先輩が言う。嫌な予感がした。予感どころじゃない。話を振られたらなんて答えればいいのか、一歩間違えたら終わってしまいそうで。
「あ、私もうそろそ…」
ガチャ

私が立ちかけるとすごいタイミングでドアが空いた。