「…どうかしたの?」

私の視線に気づいた彼と目が合う。
新幹線が発車する。
景色がゆっくりと流れ、少しずつ加速し、やがて景色が追えない程速く流れる。

「最近、東京は行った?」
光貴君は窓の外を見ているのか私を見ているのかわからないけど、私は彼の方を向いた。

「2ヶ月前に、レッスンで行きました。光貴君はよく行くんですか?」