私は練習室を一旦出て、隣の部屋の扉についている小窓から覗いた。

ん……?
「実和子ちゃんだ…」

やっぱり上手い。どうしたらあんなに上手く弾けるの。
流れるようなメロディ。
私とはまるで違う曲に聞こえる。

私がこんな風に弾けたら、先生も怒らないだろうなー…