「私は…先輩みたいにテクニックもないし、いつも先生にはテンポとかのことばっか言われて、先輩みたいにすらすら弾けたら楽しいんじゃないかって思うけど……、でもそんなまだ、楽しむ所まで行かないです」

先輩は黙って聞いててくれて、聞き終わると息を吐き出した。

私なんかマズいこと言った?言ってないよね?だって本当に思ってることだもん…

「そうじゃ、なくって」