先輩が指定した駅は、学校からたった二駅の、私にとってもそこそこありがたい場所だった。

とりあえず、楽典の用意だけ持ってったけど…。
駅降りてみたけどどこへ行けばいいんだろう。連絡先も知らないし本当に良かったのかと少し不安になる。
真冬の4時は空も薄暗い。

そのとき背後から声がした。
「…おい」
この声は、と思って振り返る。安心して思わず微笑。