「先輩は…?」
私を見て何かを思い出したような様子だったけど。

「いや後でいい」
「あ、はい…」

やんわり言われ、私は言うことにした。
断られたらどうしよう。でも、受け入れてもらえる方が低確率か。まぁダメでもともと、だな。

「あの、先輩………。楽典教えていただきたいんですけど…」