「はい!じゃあもう一度186小節から演ってもらっていいですか?」
「はいはーい」

爽やかジェントルマンだな…。
私は合わせが終わってから言ってみた。
「光貴君、あの…」
「うん?」
「楽典、教えて欲しいんだけど……」
「楽典⁉︎」
クラリネットをケースにしまう手が止まり、私の方を見る彼。