「あ、光貴君!どうも」

光貴君はピアノではなく、クラリネットの専攻生。
彼とは、学校祭で些細なことから知り合った。
友達のような先輩。廊下で会うとたまに喋るくらい。

「ちょっといい?」
「大丈夫ですよ」

私は愛梨に先行ってて、と目で合図した。

「あ、ごめんね友達…でね、今度1月にコンクールがあるんだけど、伴奏、お願いできないかな?」