「み…ゆき…⁈」

美幸に向かって話し掛けていると、背後から驚いた男性の声がして、私は振り返った。

そこには背の高い、精悍な青年が呆然と立ち尽くしていた。


「……どちら様でしょうか?美幸のお知り合いですか?」


私は男性がちょっと苦手で、それは美幸も同じだった。

だから美幸の墓参りをする男性に心当たりがなかった。

男性は目を見開いて私を凝視していて、私が怪訝に思って首を傾げた瞬間だった。

手にしていた花束を投げ出して、私を抱き締めた。

「美幸っ!!」
「きゃっ‼」

ぎゅう、と抱き締められて私は戸惑った。