彼は武士であり、人であった。

私は無意識に昇りゆく光に手を伸ばした

光は私の手を避けるように曲がった。
手は何も掴むことなく、空を切る。

目からはとめどなく涙が溢れ、私はただ一言、昇っていく彼に言った。

「また、いつか」