私は少しずつ…少しずつ後ろへと下がる。

春菜は翔くんと話してるから今しかない。

よし、今だ……っ

私は素早く後ろを振り向き、その場を駆け出した。

………………………………。

やった、成功した…!

春菜「あ、愛菜……っ」

春菜は今、私が逃げ出したことに気付いたみたい。

でも、もう遅いよ?

ここまで来たら、いくら私と同じくらい走るのが速い春菜でも追いつかないから。

……私はとりあえず、荷物を取りに教室へ向かった。