「へぇーこいつはいいや、悪魔の力を手に入れてんだ!」

尿意の苦痛に顔をゆがめながらも、和希は悪魔の思考から、

自分が悪魔の能力を奪っている事を知る。

「…冗談ではない!冗談ではないぞ!」

人間が悪魔の能力を奪う!

前代未聞のこの状況からなんとか逃れようと悪魔は考え答えを見つけた!
 
「おい!お前!願いを言え!どんな願いもひとつだけ叶えてやる」

「…願いだと?ふざけるな!」

「お前は、願いをかなえた後に俺の大切なものを奪うだろうが!」

悪魔の思考は全て和希に読まれている。

「…チッ!」

和希が願いを言えば、悪魔はこの場から離れる事ができ、

和希に能力を奪われる事は無くなる。

だか、悪魔の思惑も和希には通用しなかった。

今の和希には悪魔の思考が手に取るように解るのだから。

「…どうすればいい?どうすれば、この状況から逃れられる?」

こうしている間も自分の能力が、どんどん小僧に奪われているのではないか?

そして、最後には小僧に全て奪われ自分は消滅してしまうのではないか?

悪魔の恐怖は頂点になっていく・・・