すると突然ヨシキのお母さんは瞳に涙を浮かべて、その場に泣き崩れた
スルリと私の手から抜けるお母さんの細い腕
その姿を、茫然と見下ろした
「今っ・・・飛行機会社と、イギリスのおじいさんから連絡が入って・・・」
そこで言葉を切ったお母さん
細い肩が、小刻みに揺れている
今にも崩れそうな足に力を入れて、その言葉の続きを待つ
お願い―――
違うと言って・・・
「お母さ・・・」
「あの子、あの飛行機に乗っているのよっ」
私の声を遮ってそう言った後、壊れた様に声を上げて泣きだしたお母さん
途端に、私の世界が止まる
乗っている?
あの飛行機に?
じゃぁ・・・あの名前は
呼ばれた、あの名前は―――
ヨシキ?
すると、お母さんの声を聞きつけて家の中からヨシキのお父さんと弟のレン君がバタバタと玄関にやってきた
泣き崩れるお母さんと、茫然と立ちすくむ私を見て状況を把握したのか、お父さんが力強く私の肩を掴んだ
「ジュリちゃんっ・・・まだヨシキが死んだと決まったわけじゃない!! あの子は強い子だ。きっと生きてる。信じるんだっ!!」
そう言ってお父さんが魂の抜けた様に立っている私の肩を掴んで必死に話している
だけど・・・その声すら、もう遠くの方で聞こえる
意識とは別に瞳から涙が一筋、頬を伝って流れた
―――私は初めて、神様を恨んだ



