車のエンジンを急いでかけ、アクセルを思いっきり踏んだ
ゴウゴウと耳の中で音がする
ドクドクと心臓が壊れそうに動いている
空気が体の中に入っていかない
「お願いッ――神様っ・・・」
流れた一筋の涙を勢いよく拭って、歯を食いしばりながら車を走らせた
そして、向かった―――ヨシキの家へ
ピンポーンピンポーン
真っ白な壁の家に着き、チャイムを慌ただしく押す
明日ヨシキが帰ってくるんだから、きっとご両親はいるはずだ
お願い!! 早く出て!!!
そんな想いで、ドアをドンドンと叩く
すると
ガチャ
ドアが開いたと同時に、中から真っ白な顔をしたヨシキのお母さんが出てきた
「ジュリちゃんっ!!」
私の姿を見た瞬間、その目を見開いたお母さん
無理もない、4年ぶりに会ったのだから
それでも、今はそんな事にかまっていられない
「お母さん!! 今っ!! ニュースで、飛行機事故が! ヨシキの名前が・・・別人なんですよね!?」
自分でも何を言っているのか分からなかった
とにかく早く、一刻も早く、この最悪な気持ちから抜け出したかった
ヨシキは明日帰ってくる。そう言ってほしかった
縋る思いで、ヨシキのお母さんの両腕をギュッと掴む
違うと言って
ヨシキは明日帰ってくると
人違いだと―――



