それからの1ヶ月は、この4年間の中で1番長く感じた
毎朝起きてカレンダーに×印を書いて行く
どんどん×印で埋まっていくカレンダー
それと同時に、ヨシキが帰ってくる日に近づいていく
毎日カレンダーを見るのが楽しみだった
そして、ヨシキが帰ってくる前日
今日は土曜日で大学もお休みだったから
明日の為に美容院へ行く事にした私は、鼻歌を歌いながら出掛ける準備をしていた
だって4年ぶりに会うんだもん
とびっきり可愛くいたいじゃん
この頃の私は、胸にかかるくらいの髪の長さで、緩いパーマをかけていた
ヨシキが見たらなんて言うかな
きっと綺麗だって言って、額にキスしてくれるんだろうな
ヨシキもきっと、カッコ良くなってるんだろうなぁ
想像するだけで胸の奥がキュッと甘い痛みを感じる
不意に鏡に映った私は、不気味な程の笑みを浮かべていた
簡単に化粧を終えて、お気に入りのワンピースに着替えてから、1階のリビングへ向かう
「おはよ~!!」
リビングに入るなりソファーに座っているお母さん達に挨拶する
ご機嫌に現れた私の姿を見て、キョトンとした顔をするお母さん
「おはよ。あら、珍しく早起きじゃない。どっかに出かけるの?」
「明日ヨシキが帰ってくるから美容院でトリートメントしてもらうんだ!」
跳ねる声でそう話して、キッチンへ向かい茶碗にご飯をよそう
もちろん鼻歌混じりで
「そっか~!! とうとうヨシキ君明日帰ってくるのね~、だからそんなにご機嫌なのね」
ふふっと笑って私をニタニタ笑って見ているお母さん
その隣でも、お父さんが嬉しそうに微笑んでいる



