いつも同じ空の下で



急いで私もその後ろを追いかけて車に乗った


少し冷えた車内が、少し火照った体を冷やす

何も言わずエンジンをかけた星野さんの横顔を盗み見た



行きと同じ、静かな車内

微かに音楽が流れているだけで、互いの間に会話はない

そんな気まずさに耐えきれず、思い切って口を開いた




「―――あの・・なんで青色に?」




山さんはピンクが好きだって話していたのに・・・

どうして?



「―――」



でも、星野さんは何も答えてくれなかった

もう一度聞き返すのもしつこいと思い、諦めて下を向いた




それからも、車はスイスイと道路を進む

窓の外には、キラキラと輝くネオンの光

街を歩くカップル達

そんな光景をボーっと外を眺めていた

すると



「飯、なんかおごる」



走らせていた車が信号待ちをしている途中で、黙っていた星野さんが口を開いた



「え、そんな! 悪いです」

「何が。今日付き合ってもらったお礼」



バックミラー越しに星野さんがチラッと後ろを見る

真っ黒な瞳が私を貫いて、私から抵抗する気を消えさせる



「えっと・・・じゃぁ、お言葉に甘えて・・・」




星野さんの無言の訴えに負けて、コクンと頷いてしまった



「飯なんでもいい?」



また前を向いた星野さんが淡々と話している


――なんか怒ってる?




「なんでもいいです・・・」



なんだか居たたまれなくなって、力なくそう言った



結局その後は少し離れた所にあったイタリアンのお店に入った

こんな夜に男の人と一緒に外でご飯なんて食べた事なかったから、緊張しまくりの私

そんな私とは正反対に、星野さんはいつもと変わらずクールな感じ



場慣れしてるのかな・・・・