いつも同じ空の下で



しばらくすると、カランカランと店のドアが開く音がして、急いで立ち上がった

零れそうな涙を拭い、ドアの方に振り返る

するとそこには、綺麗にラッピングされた商品を小脇に抱えた星野さんが立っていた




「いいの見つかってよかったですね!」




さっきの事を誤魔化す様にしてニッコリ笑った

でも




「なんで泣いてんの」




真っ直ぐに私を見てそう言って、無表情で近づいてくる星野さん

その姿に、思わず後ずさりしてしまった



それでも、星野さんは私の前まで来てじっと私を見つめる

辺りはもう日が落ちて、小さな庭のライトが星野さんの頬を照らす




「濡れてる」



空いている方の手で私の頬を指の背で撫でた星野さん



いつもと違う雰囲気の彼

ヨシキとは違う真っ黒の瞳

まるで何もかも見透かされていそうで、思わず下を向いた




「泣いてなんか・・・」

「―――」



何も言わない星野さん

ただ、じっと私を見つめている

そして



「鳥籠の花、青にしたから」




そう言い残して、星野さんは車へと戻って行った