「――っ」
思わず首元で光るハートのネックレスを握りしめた
突然甦った記憶に、胸が締め付けられる
「どした?」
何も言わない私を不思議に思ったのか、星野さんが私の顔を覗き込む
その瞬間、思わず私は鳥かごを星野さんの腕に押し付け、後ろを向いた
瞳の涙が溢れそうだったから
「そ・・・それでいいと思います! 私ちょっと庭を見てきますね!」
震える声を必死に我慢して店から飛び出た
ドキドキと早鐘の様に鳴る心臓
胸の奥が締め付けられる
頭がフラフラする
力なくその場に座り込んだ
「――忘れてると思ったのに・・・」
自嘲気に笑って、下を向く
こんなにも動揺している自分が滑稽で
惨めで
消えてしまいたかった



