その声を聞いて、窓越しにお店を眺める
アンティークな造りの小さな雑貨屋さん
真っ白な木でできたお店で入口の前には小さな庭がある
小人の様な人形が置いてあって、とっても可愛い
視線を上げれば、すりガラスの窓から店内の暖かいオレンジ色の光が漏れていた
目の前に現れた可愛い雰囲気の店に、一気にテンションが上がる私
「すごい可愛い~! こんな店知らなかった!!」
ウキウキした気持ちで車から飛び降りて、店の前の小さな庭を眺める
「転ぶなよ」
車から優雅に降りてきた星野さんが、子供みたいにはしゃぐ私を見て呟いた
「転びませんよ! 早く入りましょっ」
もう待ちきれなくて小走りで店に向かい、ドアを引く
カランカランと低い鈴の音が辺りに響いた
「わぁ~」
店内は外観と同じ真っ白の内装で、植物が所々置いてある
所々を照らす間接照明が、どこか幻想的な雰囲気を醸し出していた
歩く度にギシッと音がする床を進みながら、商品を眺める
商品はアンティークなものばかりで、私の好みのモノばかりだった
アヤカが来たら喜ぶだろうなぁ
今度3人で来ようっと
そんな事を思いながら、店内をゆっくり見てまわる
すると
「わ、可愛い~! ちょっと見てください星野さん!」
興奮のあまり、少し離れた所にいる星野さんを手招きして呼び寄せた
「なに」
「これ、見てください! 可愛くないですか!?」
いつものポーカーフェイスでこちらに歩み寄ってきた星野さんに、持っていた商品を渡す
星野さんの大きな手に納まっているそれは
アンティークな鳥籠の中にブリザーブドの濃いピンクの花が敷き詰めてあって、緑のツタが下に伸びている
そして、その中に1匹だけ青い鳥が入っている
「いいんじゃないか」
私から渡された商品をじっと見つめ、興味があるのか無いのか分からない様な返事をよこす星野さん



