そう思ってしまってからは、話出すのが少し怖くなって、黙り込んでしまった
沈黙の車内
様子を伺う様に、チラッと星野さんの横顔を覗き見る
いつもの様に無表情の彼
年の割には落ち着いて見えて、運転している姿が凄くかっこいい
腕まくりしている腕は、ほどよく筋肉がついていて、男らしく血管が浮き出てる
ヨシキとは違う男の人・・・・
思わず見惚れていると
「なに?」
急に前を向いたまま星野さんが呟いた
その言葉に、ビクンと一度体が跳ねる
盗み見していたはずが、バッチリばれていたらしく、星野さんの容赦ない言葉が飛んできた
でも見惚れていたなんて恥ずかしくて言えるわけもなく
「いえ・・えっと、どこ行くのかなぁ~と思って」
と、当たり障りない事を言ってみた
でもまぁ、実際それは気になっていた
女モノが置いてある店なんて全く興味なさそうな星野さん
さっきから車は進んでいるけど、どこに向かっているんだろう
「この近くの雑貨屋」
「へぇ。この近くに雑貨屋なんてあるんですか?」
この辺りは私の行動範囲内で、よくユウキやアヤカ達と買い物に来る
だいたいどんな店があるかは知っているつもりだった
「俺ここらへんに住んでるから、なにかと詳しいんだ」
そう言って細い裏道の様な所に入っていく車
この近くに住んでるんだ
だったら、私とユウキの家からも近いんだなぁ
そんな事を思っていると
「着いた」
そう言って車は大通りから少し入った所にある、小さな雑貨屋の前に停まった



