そんな事を思いながらも、何も行動できない私
明日も6時からバイトだ
◇
「おはようございま~す」
いつもの通りタイムカードを押しに休憩室に向かう
ガチャっと扉を開けながら挨拶した瞬間、部屋の真ん中にある長細いテーブルに1人で座っている星野さんと目が合った
うわぁ~・・なんかタイミング悪かったなぁ
「おつかれ」
チラッと私を見て、いつものポーカーフェイスでそう言った星野さん
でも、すぐに視線を携帯に戻してしまった
「お疲れ様です」
真っ先にタイムカードを押してこの場から出たかったけど
まだ売り場に入るには時間があったから、星野さんの斜め前に腰かけた
「あ・・・今日ユウキ、風邪でお休みなんです」
「そうなんだ」
「はい・・・」
「――」
うぅ~会話続かないよ~っ
何か話題!!
この空気を打破する様な楽しい話題!!
そんな事をもんもんと考えていると――
「今宮さ、明日バイト入ってないよな?」
「へ? あ・・・はい」
突然の質問に首を傾げながらも、小さく頷く
確かに星野さんの言うとおり、明日はバイトはお休みの日
でも、なんでだろ?
「あの‥何かあったんですか?」
「――明日空いてる?」
「え?」
「明日の6時から、付き合ってくれない」
珍しく星野さんから話かけてきたと思ったら、まさかの爆弾発言
その言葉がなかなか理解できなくて、バカみたいにポカンと口を開けて固まってしまった
ん!? 今付き合ってって言ったよね?
え? どこに!?
そして、なぜ私!?
完全パニックの私を見つめる、冷静沈着な星野さんの瞳
その端正な姿に、思わず心臓が一度高鳴った
「今月で副店長が転勤するみたいなんだ。何かとよくしてもらったから、何か送別品買おうと思ったんだけど、何買えばいいかサッパリだから代わりに選んでほしい」
頬杖をつきながら、そう言った



