文化祭のあの日から、私はヨシキに裏切られた様な気持ちで、悲しさと怒りが混ざっていた
こんなの筋違いだって分かってる
私から別れを切り出したんだから、そんな事に口出しできる権利なんてない
私とはもう別れたんだから、誰と付き合おうが勝手だけど
でも、別れて半年も経たないうちに彼女を作るってどうなの!?
それだけ、私の事は本気じゃなかったんだ
それならもういいっ!!
こっちから願いさげだ―――っ
◇
「ジュリ、聞いてる?」
グラウンドで走る陸上部を眺めながら、ボーっとしていた私はユウキの言葉で我に返った
「ごめん、なぁに?」
「だーかーらー、ここのスポーツ店でバイトしない?」
少し拗ねているユウキが指さした無料広告雑誌を見る
ユウキが指さした先には、スポーツ店でのアルバイト募集の要項が書かれていた
「スポーツ店って言っても、うちらはレジ打ちだろうけど。うちバイトって初めてだからさ、1人だと心細いし一緒にしない?」
そう言ってユウキが大きな目をキラキラとさせている
バイトか・・・・
受験を控えてるとはいえ、地元の大学なんて簡単に入れる
部活を辞めてから、遊ぶ時間が増えてきてお金が欲しいと思ってたのは事実
社会勉強も兼ねて、してみよっかなぁ
「うん、いいよ。そこいつもサポーターとかジャージとか買ってた店だよね」
「そうそう。中学から通ってるし、なんか知ってる店の方がいいかなぁ~と思って」
ウキウキした様子のユウキは早速電話してみる! と言って電話をかけだしている
その様子をぼんやりと見つめた



