茫然とただ目の前の彼を見つめる
どうしてだろう
ヨシキの事になると、頭が働かない
そんな中、彼が何か言いづらそうに口を開いた
「――2人の問題だから、こんな事俺が言っていいわけないのは分かってるけど・・・」
「――」
何を話されるのか、固唾を飲んで待つ
ドキドキと心臓が早鐘の様になっている
もしかして、さっきの女の子の話?
やっぱりあれはヨシキの彼女なの?
それを報告にきたの?
―――そんな話、聞きたくない
「あのっ!! もう終わった事なんで」
そう言って、彼が話し出す前に言葉を切り出した
何も聞きたくない
もう、これ以上傷つきたくない
「行こう」
彼に一度小さくお辞儀をしてから、2人の腕を掴んで校門へと向かう
「ねぇジュリ、話聞かなくていいの!?」
速足で歩く私にアヤカが心配そうに話しかけてくる
その言葉にも、私は返す事なく足を前に出した
話なんて聞きたくない
もうこれ以上、苦しみたくない
私は、また逃げたんだ
傷つく事から――



