それから、あっという間に夏休みが始まった
きっとヨシキはイギリスに行ったのだろう
そんな中、私はというと
夏休みが始まっても答えなんて出るわけがなく、部屋に閉じこもっていた
そんな元気のない私を気遣って、ユウキとアヤカは去年行った花火大会へ行こうと誘ってくれた
引き籠りがちだった私だったけど、いい気分転換になるからと2人に強く言われて行く事にした
―――――・・・
―――・・・
「ジュリ~!! こっちこっち!!」
去年と同じ様に駅で待ち合わせをした私達
改札の前で浴衣姿の2人が手を振っている
今年は去年と違い、女3人で行く事になった
きっとこれも2人が私に気を使ってくれたんだろう
「ジュリ浴衣着てこなかったの? 去年の可愛かったのに」
「去年暑くて大変だったしさ! 今年は軽装にしてみた!」
アヤカが私のワンピース姿を見てそう言うのを見て、ニッコリと笑う
笑えているかは、分からないけど
本当はヨシキの「可愛い」って言ってくれた言葉を思い出して着れなかった
だって今は言ってくれる人がいない
それにあの桜の柄
私達の思い出の花
あんなに大好きだった桜も、今見ると辛かった
実際今日ここにくるまでの道のりでさえ苦しかった
至る所にヨシキとの思いでが詰まっているから
一緒に並んで歩いた道
はぐれない様に手を繋いだ駅のホーム
なにもかもが私の胸をえぐった



