「この前の話の続きなんだけど・・・・」
しばらくして、ゆっくりと口を開いたヨシキ
その瞬間、一気に心臓が早鐘を打つ
次の言葉が怖くて
震える手をギュッと握った
そして、一瞬の沈黙の後―――
「俺を、待っていて欲しいとは言わない」
告げられたヨシキの言葉に、頭から冷たい水をかけられた様だった
背中に冷たい汗が流れる
手がカタカタと震える
――それって・・・どういう意味?
「留学の事は俺が勝手に決めた事だ。それにジュリを付き合わせるつもりはない」
ベンチに座っていたヨシキがスクッと立ち上がって、池の前にある手すりに手を掛ける
その姿をじっと見つめた
「4年もジュリの事を縛りつける権利は誰にもない。もちろん俺にも――ジュリの人生なんだから」
私の人生・・・?
それはヨシキと一緒にあるんじゃないの?
そう思っていたのは私だけ?
そっか―――
関係ないんだ・・・ヨシキにとって
私と歩む、その先なんて
ヨシキの本当の気持ちを知ってしまった
ヨシキにとって私は通過点で、人生の中のひとかけらの思い出にすぎないんだ
だから簡単に手を離す事ができるんだ
そう思うと一気に胸が苦しくなって、目の前が歪んで見えてきた



