学校に着き、教室のドアを開ける

なんだか、ドアが重たい




重たい足を引きづりながら教室に入ると、同時に教室から「おはよ~」という声が飛び交う

私は無理に口角を上げて、おはようと応えた

伏し目がちで教室の中を歩き、自分の席に重たい腰を落とす



すると



「ジュリ? どしたの? 目・・・真っ赤」



隣の席のアヤカが心配そうに話しかけてきた




「うん・・・ちょっと」




なんて答えていいか分からず、そんな言葉しか出てこなかった

アヤカは私のいつもと違う雰囲気に気付いたのか、それ以上何も聞いてこなかった



でも今は逆にそれが嬉しかった



今何を聞かれても、私自身まだ頭の中が混乱していて、なんて話せばいいか分からない

それに、話し出したらきっと、また泣いてしまいそうだった




それからしばらくして、いつもの様にユウキがパンを沢山抱えて優雅に教室に入ってきた



「おっはよ~!! ってジュリ? あんたどうしたの!?」



真っ赤に腫れた私の目を見て、ビックリしているユウキ

その姿を見て、思わず苦笑いがでる




「ん・・・・ちょっと・・・ね」




私は目を見られない様に、下を向いて答えた

するとユウキは何も言わず私の前の席に腰を下ろして、私の頭を優しく撫でた



「何があったかは聞かないけど、話したくなったら聞くからね」



優しく、そう言った