シンと静まりかえる公園
鳥の鳴き声だけが聞こえる
思考回路がうまく働かなくて
ヨシキの言葉だけが、グルグルと回る
「りゅう・・・・がく?」
言葉の意味が理解できずに、無意識のうちに聞き返していた
――ううん
きっと私の心が拒否して、言葉を受け入れなかったんだ
それから、ポツリポツリとヨシキが話始めた
昔から海外で働く両親に憧れていて、ずっと海外で語学を勉強したかった事
私と出会って、しばらくは日本の大学に行こうかとも考えていた事
しかし、修学旅行でオーストラリアに行き、やはり自分の夢は捨てきれなかった事
高校から留学する時は、ファウンデーションコースという準備期間として普通の大学生活より1年多く勉強しなきゃいけない事
留学中はロンドンに住むおじいちゃんと一緒に住む事
そして、日本に帰ってくるのは
4年後だという事
目線を下に向けて話すヨシキ
その姿を、私はじっと見つめていたけど、何故かヨシキの声が遠くで聞こえる
まるで、自分の事じゃない様に感じた
今私に起ころうとしている事に、心がついていかなかった
言葉の意味を理解する事が精一杯だった



