「でも・・・」
ヒックヒックと子供の様に泣くユウキの背中をゆっくりと撫でる
すると、私達をじっと見つめていたハヤトがユウキの肩を掴んで、その体を起こした
「ユウキ。ここはヨシキに任せて俺たちは帰ろう」
真面目な顔をして真っ直ぐに私を見つめるハヤト
でも少し不安そうな目をしていた
「ジュリ。本当になんともないんだな」
「うん。大丈夫・・・ユウキをお願いね」
微かに微笑んだ私を見て、ハヤトはまだ不安そうにしているユウキを抱きかかえてから、ヨシキに目配せした
ヨシキも、その視線に気づいてコクンと頷いた
ハヤトとユウキが病室を出て行って、ヨシキと2人きりになった
微かな沈黙の後、私の手を握ったまま下を向いているヨシキが、ゆっくりと口を開いた
「ご両親には、まだ伝えてないんだ」
「――」
「ユウキちゃんが、きっとジュリの事だから親には知られたくない。って思うだろうからって・・・・」
「うん・・・そっちの方が助かる」
親の名前が出て、一瞬ヒヤッとしたけどユウキの心遣いでホッとした
両親には知られたくない



