そんな私を見て、ヨシキが仕方ないなって顏で笑う
「約束しただろ? 冬になったらイルミネーションを見ようって。ジュリ忘れたの?」
「――あ! そっか! そうだった」
「ジュリ、忘れてただろ~」
思い出した様に声を上げた私を見て、ヨシキはガバッと私に抱きついてきた
ケラケラと楽しそうに笑うヨシキの声が耳元で聞こえる
「アハハ!! 忘れてないよ~! ちゃんと覚えてたよ~」
「ウソだね。今の反応は絶対忘れてた」
「忘れてないって~」
まるで子供みたいに、じゃれてくるヨシキと一緒に笑いながら、いつもの公園へと向かった
向かう途中「寒いから」と言って、ホッカイロ代わりに温かいココアを買ってくれたヨシキ
それを受け取って、自分のコートのポケットの中に入れてココアを握りしめた
そんな事をしているうちに公園に着いた私達は、イルミネーションがあるという広場まで向かった
いつもの展望台から少し離れた場所にある広場には、カップルがポツポツと見受けられる
「着いたよ」
辺りをキョロキョロと見渡しながら歩いていると、白い息を吐きながらヨシキがそう呟いた



