それからしばらくして、ヨシキが見せたいものがあるからと、私達は外に行く事になった
玄関の外まで出て、お見送りをしてくれるヨシキの家族に、精一杯お礼を言う
「またいつでもおいで」と笑うご両親にいつまでも手を振った
「今日はジュリの新しい一面を見れたような気がする」
しばらく2人で歩いていると、ヨシキが嬉しそうにそう言った
その言葉に顏を上げると、ヨシキがニッコリと笑って私を見つめていた
「素敵な家族だね。みんな優しくて暖かい。こんな素敵なプレゼントまでもらっちゃった」
カバンの中に大切に入れてあるプレゼントに目を落とす
私の一番の宝物になった
「喜んでもらえて良かった。バラはね、母さんが好きな花で、イギリスの国花でもある花なんだ」
「そういえばお家の中にも、バラが沢山飾ってあったもんね」
「父さんも、レンも好きな花なんだ」
日本の国花が桜とは知っていたけど、イギリスの国花が薔薇だとは知らなかった
イギリス人の血が入っているヨシキの家では、大切な花なのね
「すごく気に入ったの。部屋に飾るね」
『温かい心』
これからは、あのバラの花言葉に恥じない様にしなくちゃ
心にそう決めて、繋がれたヨシキの手を強く握り返した
「ねぇ。そういえば、どこ行くの?」
そんな中、ふと思い出した事に口を開く
そういえば行きたい場所ってどこなんだろ?
そう思って、私の手を引くヨシキを見上げた



