次の日

どんなに嫌でも仕事は待っている。

そして編集長だって仕事は仕事だ


必ずいる。

「おはようございます。」

『おはよう。今日はスケスケになってないな。』

「毎日透けてちゃ困りますからね』

周囲は笑う。


誰も何もあたしたちのことを知らないから

何も知らないから笑えるのよ。


そんな事を思う機嫌の悪い沙奈は完全に八つ当たり。


『顔、仏頂面。少女漫画を作る女性がそんな顔でどうする。いつもキラキラした"女の子"の気持ちを忘れるな』

「……はい。ていうか編集長よくそれおっしゃいますけど、男なのに女の子の気持ちわかるんですか」

『わかるよ。いつでも恋する乙女だから』


『えーー奥さんにまだ恋してるんですかーラブラブー』

『嫁が好きじゃない旦那なんていないだろう』

周囲のこの冷やかしと冗談が沙奈に突き刺さる。


泣きそう。