Cold phantom

「そ…、君が…」

「俺の…すか?」

ふと聞こえた声に私はボタンを押す指を止めた。

カバンを探していた時は気が付かなかったけど、落ち着いてみると微かだがくもった声がしている。

多分廊下側だと思うが、その会話内容は聞き取りにくい。

ただ、話している人の片方の声が長池先生だと言うのは気が付いた。

酷い頭痛を我慢し立ち上がって扉に近付いた。

「本当に奇遇だな、こんな廻り合いがあるなんて…」

「…?、どう言う事ッスか?」

「あの子も似たようなもんだって事だよ。」

「それって、まさか…」

「あ、本人には言っちゃ駄目だからね。あの子は気になりだしたら中々収まらないし…あんな状態だしね。」

「…」

なんの話をしているのだろうか…

「あの子」とは多分私の事だろう。

私が長池先生を苦手にしている理由はこれだ。

先生はいつも私に何かを隠している。

それを知っている私は悶々とさせられるのだ。

それ以外はどうと言う事は無いのだが…