「潤!おい!潤!」
夏来の声を無視して走り続けた後、しばらくして潤は立ち止まり夏来を睨みつけた。
「危ねぇだろ⁉︎女一人でうろうろしてんじゃねぇよ‼︎」
あまりの潤の剣幕に、一瞬怯えそうになったがすぐに夏来も負けずに言い返した。
「女一人なのは一緒に帰れる友達がいねぇからだよ!悪いか⁉︎」
そう言うと潤は忌々しげに舌打ちをした。
「そう言えばそうだったな…。じゃあ、俺が送ってくよ。」
「え?」
予想していなかった返答に驚いて聞き返したが、潤はくるりと夏来に背を向けて歩き出した。
「潤、腕…!」
掴まれたままの腕を振りながら訴えると、潤は思い出したように手を離した。
「悪ぃ。」
そう言ってスタスタと歩き出してしまった潤を夏来は慌てて追いかけた。
やっと追いついて夏来より少し高めの潤の横顔を見上げると、均整のとれた美しい顔が西日で照らされていた。
それだけで、絵画か映画のワンシーンのようで思わず見惚れてしまう。
西日が並ぶ二人の影を濃く、長く地面に描いている。
「夏来。」
ふいに呼びかけられ、潤を見つめたまま首を傾げて先を促すと、潤は夏来をチラリと見て、
「これからは俺が家まで送ってくから。」
と言ってそっぽを向いた。
潤はたまによく分からない行動をするな、と夏来は思う。
方向こそ同じだが、潤が夏来を送って帰るのはそうとう遠回りになってしまう。
「じゃあ、また明日。」
潤は手を振ると、元来た道を戻り始めた。
「おう…ありがとう。」
潤は振り返らず、手を軽く振った。
夏来の声を無視して走り続けた後、しばらくして潤は立ち止まり夏来を睨みつけた。
「危ねぇだろ⁉︎女一人でうろうろしてんじゃねぇよ‼︎」
あまりの潤の剣幕に、一瞬怯えそうになったがすぐに夏来も負けずに言い返した。
「女一人なのは一緒に帰れる友達がいねぇからだよ!悪いか⁉︎」
そう言うと潤は忌々しげに舌打ちをした。
「そう言えばそうだったな…。じゃあ、俺が送ってくよ。」
「え?」
予想していなかった返答に驚いて聞き返したが、潤はくるりと夏来に背を向けて歩き出した。
「潤、腕…!」
掴まれたままの腕を振りながら訴えると、潤は思い出したように手を離した。
「悪ぃ。」
そう言ってスタスタと歩き出してしまった潤を夏来は慌てて追いかけた。
やっと追いついて夏来より少し高めの潤の横顔を見上げると、均整のとれた美しい顔が西日で照らされていた。
それだけで、絵画か映画のワンシーンのようで思わず見惚れてしまう。
西日が並ぶ二人の影を濃く、長く地面に描いている。
「夏来。」
ふいに呼びかけられ、潤を見つめたまま首を傾げて先を促すと、潤は夏来をチラリと見て、
「これからは俺が家まで送ってくから。」
と言ってそっぽを向いた。
潤はたまによく分からない行動をするな、と夏来は思う。
方向こそ同じだが、潤が夏来を送って帰るのはそうとう遠回りになってしまう。
「じゃあ、また明日。」
潤は手を振ると、元来た道を戻り始めた。
「おう…ありがとう。」
潤は振り返らず、手を軽く振った。
