桜吹雪

「緑君…」

「桜井…会いたかった…」

緑君はそういって私を抱きしめた。

「ごめんな。途中で転校して…」

そして私も抱きしめ返した。

「ううん、会えて嬉しい…」

「あんな、桃菜。そういうのは

ひと気のないところでやるもん

ちゃう?」

「へ?」

気がつくとみんなが私達の方を

見ていた。

「あっ…緑君…」「ん?」

「みっ…みんな見てる…」

私は顔を赤くして言った。

「…ごめん…」

そういって離してくれた。

『榛野学園(はるのがくえん)

生徒のみなさんは、応援席に

戻ってください』

「あっ…行かなきゃ…じゃあね」

「桜井!!メアド!」

「あっ…あとで!」

「分かった!」