桜吹雪

〜体育祭当日〜

パーンパーン!!

一斉にスタートする。

「わぁっ!!瑞花ちゃん速い!」

瑞花ちゃんはぶっちぎりで一位だった。

「へへ!よゆーや!」

「すごい…」

「あ、今からお昼休みやろ?

ちょっとついてきてくれへん?」

「あ、うん」

瑞花ちゃんは私の腕を掴んで

走った。

「…ふぅー!!あ!」

「瑞花…ちゃん?」

「よっ!!瑞花!」

「翔!!ひっさしぶりやな!」

瑞花ちゃんは知らない男の子と

話している。

「す、瑞花ちゃん!」

「え?あ、桃菜!こいつうちの彼氏!」

「どうも!」「こ、こんにちわ….」

「えぇっと、田辺翔(たなべしょう)

です!」「さ、桜井桃菜です…」

「で、こいつが!」

田辺君の後ろにいた子を瑞花ちゃんが

引っ張りだした。

「う、うわっ!!いきなりひっぱんじゃ

ねーよ!」

「うっさい!!桃菜にオススメ!」

「え?」

「山下…」「知ってる」

「え?」「山下緑でしょ?」

「なんで…」「小学校一緒だった」

「へぇー」「途中で転校したけどな!!

久しぶり!桜井!」

緑君は小学校で一緒だった。

もうすぐ中学になるころに転校した。

いつも一緒だった。

もちろん他の子も。

そして……私の初恋。