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翌日

私達は少し街から離れたお墓にやって来た

「ね、何話すの?」
「あ?言う訳ねーだろ」
「えー……」
「つか、どこだよ」
「えっとね……あれ?どこだっけ?」
「おい……」

方向音痴が出てしまったらしい。

「今こう来たから……あれ?」
「もういい。地図見せろ」

あっけなく風磨に地図を取られて
その場所にたどり着いた。

「全然反対方向だろ」
「ごめんなさい……」

すると風磨はニコッと笑って
家族が眠るお墓に花を添えた。

「ありがと、きっと喜んでる」
「だといいな」

私はそのまま墓石の後ろを
回ってあるものを発見した。

「やっぱり……」

そこにはあいつの名前がしっかりと刻まれていた。

「あいつもここにいるんだね……」

その刻まれた文字を
ゆっくりとなぞりながら風磨を見た。

「よかっただろ?
わざわざ墓探さなくていいんだから」
「そうだね」

私はうつむきながらも
風磨の隣に行って線香に火を点けた。

するとふわっと香る特有なラベンダーの香り

私達はその香りと共に目を閉じて手を合わせた。

「……私、来るの遅くてごめんね?」

ゆっくりと目を開けてみんなに話しかける。

「みんなに紹介するね?
風磨、前話してたでしょ?
私の……大切な人だよ」

そのまましゃがんで風磨を見ると
風磨も隣にしゃがんだ。

「翼、愛……
私が言ってた通りイケメンでしょ?
もうお医者さんになって金髪じゃなくなったけど
爽やかでカッコいいでしょ?
私の自慢な彼氏だよ?
会いたかったよね?
ごめんね……
でもこれから一緒に来るからね?
毎回一緒に来るから、待っててね」
「そんなこと言ってたのかよ」

風磨は少しだけ顔を赤らめて呆れた顔をした。