「……それはこっちのセリフだ!!」

今まで聞いたことないくらい低い声で私を怒鳴った。

私の前にいるのは……陸人じゃなくて……風磨。

「何で……?」
「何でって?よく言えるな!!俺を裏切ったくせに!!」

え?何言ってんの?

「私何もしてないよね?しかもどうして私がここにいるってわかったの?」
「笑わせんな。どうせそれも全部嘘なんだろ?」
「……どういうこと?」

私は風磨の言ってることがさっぱりわからない。

「自分でこんなメール送ってよく言えるもんだな!!」

そういって風磨が見せてきたメールを見て絶句する。

そこには……

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私風磨より陸人に抱かれるほうが好きなんだよね。

これから私に関わらないでくれる?

迷惑なんだけど。

風磨はただの遊びに使っただけ。

本気なんて勘違いしないでくれる?

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そしてその本文の下には私と陸人が裸で抱き合っている写真。

「何これ……こんなの知らないよ!!」
「嘘言うな!!どうせ俺を騙してるんだろ?いままで俺を利用してたんだろ!?」
「違うよ!!信じて?違うから!!」

私は泣きながら必死に誤解を解こうとする。

「だったらなんでそんな格好でいるんだよ!!」
「……それは……」

何も言えなかった……。

私の服もないし……そう思われるのもしょうがないかも……

「ほらな……美紅もそこら辺の女と一緒か……」
「違うよ!!どうしてそんなこというの!?そんなに私が信用出来ない!?私を信じてよ!!」
「俺にはもう美紅を信じられない……」

そう冷たい目で私を見下ろして風磨はドアを乱暴に閉めた。

「う″……っ……グスッ……」

私はその場で崩れ落ちる。

風磨が違う人に見えた。

それくらい私を大事にしてくれてたのに……私はそれをぶち壊した。

「最低だ……」

最低以下かもしれない……

本当に私なんていなくなればいいのに……

「本当最低……」

私は自分の体をアザができる程殴って自分を憎んだ。

そして……涙は枯れることなんて……ない。