[完]俺様くんがスキなんです!!

「きゃー!!かわいー♪」

隣でキャピキャピ騒ぐ美紅はさっきから水槽にべったり……

「かわいー♪私生まれ変わったらお魚さんになろーっと」

いやいや……自分で決めれねーから……

「私これ気入ったー♪」

と言って俺に見せてきたのは……丸々太ったマンボウ……

「これのどこがいいわけ?」
「え?かわいいじゃん!!怒った時膨れ上がるんだって!!凄いよね!!」

やっぱりこいつは何を考えているのかわからない……。

「ね、ペンギンー♪」

あちこち俺の手を引っ張る美紅には本当に叶わない……。

「ペンギン飛べー!!」

ペンギンって飛ばねーんだけど……

「あ、イルカショー!!見よ見よ!!」

そして俺は言われるがままにイルカショーを見に行った。

「おー!!」
「んぉ!?」
「すごーい♪」

コロコロ変わる美紅の顔は見ているだけでおもしろい。

「風磨楽しい?」
「あぁ」

美紅の顔を見るのがな……

「本当!?ならよかったー♪風磨連れてきてくれてありがとう!!」

そうはにかむ美紅が俺の隣にいることがたまに信じられない……

でもこれは現実なんだ。

決して夢じゃない。

その幸せに浸っていると……事件が起きた。