[完]俺様くんがスキなんです!!

二人で並んでいると……

「これは私が払うからね!!」

美紅は説教するように俺に言い聞かせる。

ガキかよ……

「なんでそんな自分で払いたい訳?」
「え?そんなの申し訳ないからに決まってんじゃん!!」

本当お人好しだな……。

「少しくらい人に頼れよ。俺が買うって言ってんだから……」
「私が嫌なの!!」
「はいはい……」

結局俺は諦めて美紅が自分の分を買うことになった。


_________

「ねー、次どこ行く?」

ショッピングモールを出てしばらくすると美紅が話し掛けてきた。

「どこか行きたいとこあんの?」
「んー……あるっちゃあるけど……」

そこまで言って黙り込む美紅。

「けど?」
「風磨楽しくないかなーと思って……」

シュンと下を向く美紅。

「どこ?」
「え?でも「場所だけ教えろ。行くか行かないかは俺が決める」
「……い……ん」
「は?もう一回言って?」

美紅が小声で言ったから全然聞こえなかった。

「水族館行きたいなー……」

顔を赤らめて俺に伺ってくる美紅。

そんな顔されたら行くに決まってんだろ……

「行くか」
「え?」
「近くでいいんだろ?すぐ着くだろ?」
「うん……ありがとう!!」

美紅は俺に嬉しそうな笑顔を浮かべた。

本当は俺が美紅のそばにまだ居たいだけだけどな……

なんて言ったら調子乗るから黙っとくか……