空を飛べたら



「よう……りょく……?」
「つかさー。マジで飛びたいわけ? それとも死にたいの?」

寝そべっていた体をお越し、またふわりと私の目の前に舞い降りる。
その顔が私を覗き込んできた。

「ねぇ……」

私は訊ねる。

「どうして、人は空を飛べないの?」
「はぁ?」

困ったような顔をして、何かのCMみたいにあごに右手を添える彼。