窒息しそうになるくらい長いキスを交わして、ようやく唇が離れた時、お互いの息が荒くなっていた。


「……また、鎖骨に噛み付きたくなってきました」

「前から思ってたけど、になの性癖って異常だよね」

「異常って失礼な。少し変わってるだけです」

「別にいいけどさ、俺は」

「じゃあ、遠慮なく」


鎖骨に顔を近づけるあたしの頭を雄斗さんが掴んだ。


「今はダメ」

「なんでですか」

「ガキは寝る時間です」

「また子供扱いする。じゃあ、帰る前にいいじゃないですか。ついでにボールを持ってるみたいな持ち方やめてください」

「帰る?」


あたしの頭を掴んでいた手を離して、くくっと笑いを漏らす。


「雄斗さん?」

「夜に家に呼び出しといて、そのまま帰す彼氏がいると思う?」

「…………へ?」

「になは寝る時間だよ。……俺と」


耳元で囁くなんてずるい。


そのまま雄斗さんの唇が耳たぶに触れる。


「あたしを女にしてください…………雄斗さん」


与えられる刺激に体を震わせながら呟くと、雄斗さんはあたしの唇を奪った。


「了解」


雄斗さんの広い胸に引き寄せられながら、隙があればまた鎖骨に噛み付いてやると決めた。






END.