空を見上げて

教室にいたクラスメートが私の変化に気付く。
「どうしたの？」
「あはっ！なんでもないよ！」
私は、みんなに気付かれないように笑顔をつくった。
でも、次の瞬間。
私の笑顔が消えた。

バン！
教室の扉が勢いよく開いた。
勢いよく入ってきたのは…
一樹だった。
私は一樹に聞いた。
「どうしたの？」
「お前の好きな人俺なの！？」
私は、ちょっと黙った。
そして小さく首を縦にふった。
「………マジ！？」
「…………マジ！」
私は逃げ出したくなった。
一樹には好きな人がいる。
絶対に私ではない。
そう思っていた。
「俺の好きな人は…」
と言って私にルーズリーフを投げた。
ルーズリーフを見ると、そこに書いてあったのは、一樹の下手くそな字で『お前』。
「う…そ…。」
「本当だし！香菜から手紙もらった時、本当は嬉しかったんだからな！香菜。俺はお前が好きだ。付き合ってくれねーか？」
私の目から一筋の雫。
「うちなんかでいいの？」
「むしろお前がいい。付き合ってくれるか？」
嬉しい…
一樹が私を好きって言ってくれた。
私の涙はとまることなく溢れ続けた。
泣きながら一樹に向かって首を縦にふった。