空を見上げて

「じゃあそっちから教えてよ!」
「えっ!俺?」
そこから一樹は黙った。
沈黙になった。
「…じゃあさ、お互いにヒント出そうぜ!」
先に沈黙をやぶったのは一樹だった。
「いいよ!うちの好きな人は、バスケ部!」
「俺と一緒じゃん!俺はバレー部の子!」
「バレー部?うちと一緒じゃん!あと、名前に『き』が入る!」
「え〜誰〜?俺は名前に『な』が入る。」
私はもうもどかしくなった。
だから一枚のルーズリーフを取り出して、好きな人の名前を書いた。
もちろん、名前は『一樹』
そして一樹に、「これ、うちの好きな人!」と言ってルーズリーフを投げて自分の教室に戻った。