そういえば風の噂である事を聞いたことがある


局中法度とかなるものを作ったらしく、脱走を試みる輩が増え、みな切腹させられているらしいと・・・


まあ、他人の問題だ。自分がどうこう詮索する事ではないと思った美土里はその場から立ち去ろうとした


だが、立ち去ることは出来なかった


彼女が振り返るとそこには男が立っていたからだ



「お前、何者だ。」


男は美土里の行く手を阻むように立った


さっきまで話していた奴らが男の声に反応してこちらを振り返った


「斎藤、そいつは誰だ。」


美土里の行く手を阻んでいる男は斎藤という男らしい


壬生浪士組の斎藤と言えば荒くれ者の多い浪士組の中でも使い手と言われている男だ


美土里はそれを思い出し斎藤のことをじっと見ていた