桝屋に潜入している理由は、この店で長州の動きがあるという情報が入ったからだ
情報は時に命よりも重いものとなる
そのため情報源は公表はされず、暗黙の了解で誰も詮索することはない
美土里が生きてきた環境はそういうものだった
そんなことなど知らない新選組は未だに美土里のことが気になっている奴らがウロウロ・・・
「土方さんも自分で行けばいいのに~なんで僕が巡察ついでにあの人を探さなくちゃいけないんですか~」
と、ぶー垂れながら巡察をしているのは沖田である
あの後、美土里の顔を知っている斎藤と沖田は美土里の捜索も仕事に含まれるようになってしまったのだ
「あの人は・・・人使い荒いんだから・・・」
「まあ、総司。そうカッカするな」
そんな沖田を慰め一緒に歩く斎藤も周りを気にしていた
そのとき二人の耳に美土里らしき人の声が聞こえた


