あたしはごった返した押入れの前に座り込んだまま、1つずつゆうタンの思い出を手に取り物思いにふけった。


これってゆうタンが大阪に住んでた時の写真だぁ…


あの有名な道頓堀のグリコの看板が見たいって言うから一緒に行ったよね。

戎橋のたもとで写した写真。

こっち向いて笑ってる。
かわいい♪

あは…やっぱり若いのに老け顔で顔大きいよ(笑)



この手紙…
うしさんにちゅっってしてくすぐったい気持ちになったけ。



あたしはもう一度、そっとキスしてみた。



………。



もう…

くすぐったくならないよ


あの時みたいにあんな気持ちにはならないよ


ちっともくすぐったくなんて……




そのかわり切ない想いがグイグイとあたしの胸を締め付ける。


張り裂けそうな苦しさと寂しさで胸の奥が痛い。



『ゆうタン…』



あたしの心の片隅にいつも居たゆうタンの領域がよみがえる。



ねぇ、ゆうタン…


どうしていつもあたしの中にはあなたがいるの?

なんでこんなにも残像を消すことができないの?

何度もゆうタンへの思いを消そうとしてきたのに


ゆうタンを思うと…

あたしの心が泣いちゃうよぉ







ゆうタン……




なぜあなたなの?