あまりにも突然のお別れメール。

隆司はきっとびっくりしたに違いない。


なのにあっけなく『わかった』なんて、物わかり良すぎじゃない?
しかもメールだけで電話もかかって来ない。


あたしは自分から『別れたい』ってメールしたにも関わらず、隆司が電話してきてくれないことに寂しさを感じていた。


帰ったら隆司は家にいるよね。
こんな真夜中だもん。

どんな顔して帰ればいいんだろ?
どんな事を話せばいいんだろ?


あたしはお店の送りの車から降りた後、隆司が居るはずの自宅にはすぐに足が向かなかった。

自然とコンビニへ足を運ぶ。



あっ…!

隆司!!


コンビニの雑誌を読んでる隆司の姿が目に飛び込んだ。
その傍らには、隆司が持ってきた旅行用の小さめのキャリーバッグが。


あたしは隆司に気付かれないようにコンビニから離れ小走りで自宅に向かった。



隆司…

ばいばい。

ごめんね。



じわっとあふれた涙か、真冬の北風で冷え切ったほほを伝う。

別れの寂しさが一気に押し寄せて辛くなる。



なのに……


そんな思いと同時にホッとした安堵感みたいなものまでも感じていたのです。